天使の書庫

空想物語

天使のことを記した物語が置いてあるところ。
書庫にあるすべての話は、空想でしかない。
天使がどんな日々を過ごしたのか、気になるものだ。


天使の導き

「んっ、何!?」

私は、驚いた。

羽を広げ、天から降りてきた女の子に肩を掴まれたからだ。



「どうも、こんにちは人間さん」

顔を下に向け、笑みを浮かべて言われた。

「羽が白い…天使?」

私は、挨拶よりも目の前にいる女の子が気になっていた。

「あらあら、挨拶してくれないの?」

「まあいいわ。私は天使、あなたの連れ去る者よ」



頭の上に疑問符を浮かべながら、

「ごめんなさい、こんにちは天使さん。」

「連れ去る者とはどういうことなの?」

天使に聞いた。



「そうよ、あなたを天界へ連れて行くの。それが私の使命」

突拍子もないことを言われ、ますます混乱した。

「ごめんね、天使さん。天界には行けないわ。私には帰る家があるもの」


天使の持つ本に綴られていること

「ようこそ、人間さん」

目を覚ました人間に私は挨拶をした。



「初めまして、ここはどこなのでしょう」

人間は目を覚ましてすぐで混乱していた。

「ここは天界、天使の住む場所です」

周りの景色を見渡しながら伝えた。

「じゃあ、あなたも天使?」

人間は私に指をさして聞いてきた。

「そう、私も天使です」

白い羽を広げて、誇らしげに言った。



「僕は死んだのでしょうか?」

声を小さく聞かれた。

「はい、残念ながら…」

私は、あなたの名前が書かれた本を見せた。

「これは・・・?」

人間は本を見て首をかしげた。

「あなたの全てが書かれている人生本になります」

私は本を両手に持ち、説明をした。

「なるほど、僕の全てが」

うんうんと頷いていた。


大天使の名のもとに旗を掲げよ

「旗を掲げよ!堕落した悪魔共に制裁を加えよ!」

私は天使兵へ旗で士気を上げるよう命令をした。

「承知しました、大天使様」

君はピシッと私にお辞儀をした。



「お前は私が守る、離れないでここに居ろ」

私はそばにいるよう君に言った。

「いや、私が大天使様を守らねばならない」

正義感の強い君は、腕を出し私をかばうような仕草をした。

「そんなことを言われてもな、外は悪魔だらけだ」

私は頭をかき言った。

「だから私が戦うのだ、大天使様を守るために」

凛と強く、勇ましく私に言った。



「今は私の名を呼んで良いのだぞ」

2人しかいない、この場では名を呼んで欲しかった。

「戦争の半ば、呼べない」

君は首を振り、名を呼ぶのを拒んだ。

「それなら、命令です。私を名で呼びなさい!」

私は君に強引に言ってみた。

「理不尽な命令をしないで!」

慌てて君に強く言われた。


天使の僕達は互いを愛してる

「私は君を愛している」

ルグに言葉を投げられた。

「唐突にどうしたの?」

首を傾けてルグに問いかけた。

「ふふ、言ってみただけだ」

ルグは楽しそうに微笑んでいた。



「ルグ、僕も愛しているよ」

僕はお返しにと思い言ってみた。

「ありがとう、トリス」

ルグは嬉しそうに笑顔で言葉を受け取っていた。



「ルグはいつも何しているの?」

僕はふと思いついた疑問を聞いてみた。

「トリスのことを見ているよ」

ルグにじっと見つめられながら言われた。

「…少し変態だね」

僕はいたずらに、ふふふと笑った。

「変態でも私を受け入れてくれているのだろう?」

ルグはニヤニヤしていた。

「まあ、ね…//」

目を逸らしてドキドキしながら言った。

「可愛いやつだ」

ニヤニヤから優しい目になっていた。


想う二人は旅へ向かう

「エイン、私の時間は止まることを知らないのです」

リイネルは懐中時計を見て憂いていた。

「何を言っているの?」

なにをしているのだろうと聞いた。

「ただの独り言です」

リイネルは懐中時計を閉じた。



「リイネル、僕の時計はいつか止まってしまうよ?」

僕はリイネルに問いかけた。

「そうですね、私よりも短いですから」

僕のほうを見てリイネルは言った。

「そう、人間と天使の寿命は違うから。」

僕はリイネルに目を合わせた。



「エイン、悲しいことは言わないでください。

 私の手を取って」

リイネルは僕に手を差し出した。

「そうだねリイネル。

 時間の進む限り、リイネルと共に居るよ」

僕は差し出された手を握った。


堕天使となった僕は彼女の隣へ戻りたい

「やっと見つけたわ、イベニクス」

堕ちた僕をモシェロは探していた。



「僕は堕落した。羽が漆黒に染まった堕天使になったんだ」

僕は悲しみをモシェロに言った。

「落ち込むことないじゃ無いの、天使は天使なのよ?」

モシェロはあっけらかんとしていた。

「そういう事じゃ無いんだモシェロ」

僕は俯きながら言った。



「どういうこと?」

頭に?を浮かべている感じに聞いてきた。

「天界に入れなくなるじゃないか。

 もうモシェロと会えなくなってしまうよ…」

僕はまた泣きそうになっていた。


天界から帰宅した最初のわがまま

「お帰りなさい、オスカルス」

玄関で出迎えてくれた。



「リリン両手を出して」

僕はリリンを座らせながらお願いした。

「これで良いの?」

よくわからないまま、素直に両手を出してくれた。

「うん、痛かったら言ってね」

リリンの手首を、ぐるぐると優しく蝶々結びをした。

「急に縛ってどうしたの?痛くはないけど」

リリンはさらに?を増やしていた。



「内緒。今度は腕上げて」

僕はリリンが痛くないか表情を見ていた。

「これで良いのかな?」

リリンは痛くないところまで腕を上げた。

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