人魚のことを記した物語が置いてあるところ。
書庫にあるすべての話は、空想でしかない。
人魚がどんな日々を過ごしたのか、気になるものだ。
服について何も知らない天然の男の人魚さん
「俺は男だ!」
路地裏で訴えた。
「よく女に間違われるが、男だ」
「仕方ないよ、男の人魚さん。頭にリボン、服はドレスにフリルと女性要素多いからね」
笑みを浮かべながら、慰められた。
「男らしいところあるだろうが、眼帯してるだろ」
眼帯に指をさしながら、言った。
「それだけじゃ無理、伝わらん。可愛いらしい容姿をしすぎだ」
「じゃあ後は何をしたらいい?」
ムスッとしながら聞いた。
「うーん…可愛いのだから良いと思うんだがな…」
俺の姿を見ながら、悩んでいた。
「お前の前では仕方なくだ、仕方なく」
俺は視線をそらした。
「嬉しいことを言ってくれるじゃないか」
「そんなことはどうでもいい。話を戻すぞ、俺の格好を考えろ」
視線を戻した。
「ドレスを変えたらいいのではないか?」
「ドレスを変えたら良いのだな。今から買いに行くぞ!」
よし、と早く行こうと手を重ねた。
「今からだと。まあいい、男装できそうなところ行ってみるか」
「男装ではない!俺は男と言っているだろう」
まったくといった感じに怒った。
「冗談だ、冗談。行くなら行くぞ、時間が無くなっちまう」
笑って、手を引いてくれた。
「お、おう」
少し照れ臭くなった。
沈むあなたに一目惚れする人魚
「ねぇ、ねぇ。…聞こえないのかしら…」
「ねぇ起きて、あなた人間なの?」
寝ている人間をツンツンして息しているか確認した。
「ん…ゲホッ、ゲホッ。ここは?」
息を吹き返した人間は咳をしながら、苦しそうに場所を聞いてきた。
「聞いてるのはこっちよ、あなた人間なの?」
私は背中をポンポンと押してあげながら、もう一度聞いた。
「そう、だけど。君は?」
人間はコクンと頷き答えた。
「初めて見る人間だわ。私は人魚よ、この姿見たらわかるでしょ」
私は感動しつつ、人間の周囲を尾ひれをひらひらさせて見せた。
「私も初めて見るよ人魚は。って、何で息ができているの?」
私を見ながら、人間は水の中にいることを実感していた。
「息が出るのは当然よ。私の一部をあなたにあげたんですもの」
腰に手を当てて、えっへんと自慢げに話した。
「どういうこと。私は、人魚になってしまうの?」
よく分からないけど、人間は不安になっていた。
「すごく少量の人魚の息を与えただけで、あなたは人間のままよ。」
納得させるよう、私がしたこと人間でいれるよう話した。
「よかった。人間のままなら安心ね」
胸に手を当てて安心していた。
あなたに聴いてほしい音
「あなたは海にいてもいいの?」
私は孤独にいた、あなたに声をかけた。
「うん、今日は疲れたからね」
あなたはうなだれていた。
「ハープ聴いてた?」
ハープを抱きながら私は聞いた。
「聴いていない、弾いているの見てみたいな」
あなたはハープを見ながら言った。
「いつでも見に来て、待ってるから」
私は手を振りながら、海へ潜った。
「今宵はあの人いるのかしら」
私は海面に顔を出し見回す。
「私のハープの音色どうだったかしら?」
私はあなたに目を合わせて、感想を聞いた。
「綺麗な音色をしていたよ」
笑みであなたは感想を言った。
人間と遊ぶことを楽しんでいる人魚たち
「やっと水面に近づいてきたね」
僕は君に言った。
「そうだな、あと少しで人間を引きずり込むことできる」
君は人間に会えるのを期待していた。
「まったく悪い顔してる。人間さんを驚かしてはだめだよ」
にやりとする君に注意した。
「別にいいじゃないか」
君は注意を受け流し泳ぐ。
「良くない。君のせいで溺れちゃう人間さんもいるんだから」
僕はもう一度注意をした。
「バ、バランスを崩すのが悪い」
笑いながら君は言った。
「もう、沈んだら危ないんだから。いつも助ける身にもなってよ」
毎度、助けていることを僕は言った。
「優しいお前がいるから、驚かすんだ」
君は自分勝手なこと言っっていた。
「理不尽なことを…」
僕は頬を膨らませた。
彼女が引っ張る人魚の夢
「ようこそ、海の世界へ」
私は彼女の頭の上から顔を出した。
「きゃ、あなたは誰?」
彼女は驚いていた。
「私は人魚よ、見えるかしら」
私は尾ひれをひらつかせ、彼女へ見せる。
「綺麗ね、私にもあったら良かったのに」
彼女はなびく尾ひれに目を輝かせていた。
「人間さん、あなたにもあるじゃないの柔肌な脚が」
彼女の脚をスーッと指を滑らせた。
「な、なにをするの!?」
恥ずかしくなりながら、彼女は脚を引いた。
「美麗なものが好きなの、それと脚がある羨ましさかな」
もう少し触りたかったなと思いながら話した。
「そうなのかな、ありがとう」
彼女は嬉しそうな表情をしていた。
人魚の私が連れ去るあなたは想い人
「こんにちは、お兄さん」
私はお兄さんが目を覚ましたところを挨拶した。
「何だこれは!なぜ俺は生きている!」
お兄さんは水中の中で普段通り息できている事に慌てていた。
「慌てないでお兄さん、私のキスで息ができるのよ」
私はお兄さんに微笑みながらウィンクをして伝えた。
「何をしているんだ、初めてを」
お兄さんは少しズレているようだった。
「ふふふ、初めてをありがとう」
いたずらな笑顔をお兄さんに見せた。
「この状況は仕方ないな、落ち着くよ」
お兄さんは動揺を隠せていなかった。
「よかったよ、落ち着けて。名前聞かせてくれる?」
徐々に落ち着きを取り戻す、お兄さんに名前を聞いた。
「俺は壱だ。一番の壱。カッコいいだろ!」
壱は腰に手を当て踏ん反り返っていた。
「かっこいいね。私はヤンリオナよ。
ヤンと呼んで、よろしくね」
私は壱に手を差し出した。
「よろしく。なぜ俺はここに来たんだ?」
壱は私の手を握った。
やっと見つけた水晶でメアを綺麗にしてあげる
「やっと見つけたわよイルナ。綺麗な水晶ね」
メアはキラキラした水晶を見つけテンションが上がっていた。
「よかったねメア。澄んだ青色の丸い水晶、綺麗ね」
私は水に刺す光に水晶をかざした。
「はぁ〜美しいね。惚れてしまうよ」
メアは私の手を取り水晶に目を奪われる。
「メア水晶借りても良いかな?」
私は目の前に出して聞いた。
「何に使うの?イルナ。」
首を傾けて聞かれた。
「それは秘密、借りてからのお楽しみよ」
私はウィンクをしてメアに言った。
「まったく、無くさないでよ。やっと見つけたんだから」
呆れたように言っていた。
「ありがとうメア。ちょっと待っててね」
私は水晶を加工するためメアを連れて隠れ家へ帰った。
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